「◯営業日で発送」を正しく計算する—祝日・締め時間の考え方
「3営業日で発送」が顧客の期待とズレる原因は、祝日・定休日・締め時間の数え方にあります。発送ルールの決め方から、スプレッドシートのWORKDAY.INTL関数で発送日を計算するコピペ可能な数式、商品ページへの自動表示までを説明します。
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「3営業日以内に発送します」という表記は多くのネットショップで使われています。ところが、その「3営業日後」が具体的に何日なのかを、お店と顧客が同じように計算できているとは限りません。お店側は正しく数えているつもりでも、顧客は「3日後には届く」と読んでいることが多く、このズレが「まだ発送されませんか?」という問い合わせや、キャンセル・低い評価につながります。
この記事では、ズレが生まれる仕組みを整理したうえで、「◯営業日で発送」を正しく計算して顧客に伝える方法を3つ紹介します。
なぜ「3営業日で発送」は顧客の期待とズレるのか
具体例から始めます。土日が定休日で、注文の締め時間が正午のお店に、金曜の17時に注文が入ったとします。さらに翌週の月曜が祝日だったとします。「3営業日以内に発送」の発送日は、次のように動きます。
- 金曜17時の注文は締め時間(正午)を過ぎているため、金曜は数えません。
- 土曜・日曜は定休日、月曜は祝日なので、いずれも数えません。
- 火曜が1営業日目になり、3営業日目は木曜。発送は注文から6日後です。
「金曜に注文したから週明けには届くだろう」と思っていた顧客にとって、木曜の発送は「遅い」と感じられます。お店は約束どおりに出荷しているのに、です。このズレは次の3つが重なって生まれます。
- 「営業日」が暦の日数として読まれる。お店は土日・祝日・定休日を除いて数えますが、顧客の多くは「3日後」と受け取ります。
- 締め時間が顧客から見えない。同じ金曜の注文でも、午前なら当日起算・夕方なら翌営業日起算と1日ずれますが、締め時間を明記しているお店は多くありません。
- 当日を1営業日目に数えるかがお店ごとに違う。「締め時間前の注文は当日から数えて3営業日」なのか「翌営業日から3営業日」なのか。ここが決まっていないと、お店の中でも答えがぶれます。
この3点を押さえたうえで、順に方法を見ていきます。
方法1: 発送ルールを決めて配送ポリシーに明文化する
「◯営業日で発送」という表記は変えずに、数え方のルールを決めて文章にしておく方法です。決めるのは次の4点です。
- 締め時間を決めます。何時までの注文をその日の受付分とするか。出荷作業や集荷の時刻から逆算し、正午など伝えやすい時刻にします。
- 数え方を決めます。締め時間までの注文は当日を1営業日目とするか、翌営業日を1営業日目とするか。この記事では「締め時間までは当日を1営業日目、締め時間後と休業日の注文は翌営業日を1営業日目」とする数え方で統一します。
- 定休日を決めます。毎週の休みの曜日を固定します。
- 祝日と長期休業の扱いを決めます。祝日を営業日に含めるか(祝日も出荷するお店もあります)、年末年始・夏季休業をどうするかを決めます。
決めたルールは配送ポリシーのページに書きます。Shopifyの場合は「設定」→「ポリシー」の配送ポリシーに記載し、FAQや商品ページの説明にも同じ文言を載せておくと効果的です。文例をそのまま使えるように置いておきます。
【発送までの日数について】
・営業日: 月〜金曜(土日・祝日・年末年始 12/29〜1/3 を除く)
・平日12時までのご注文: 当日を1営業日目として、3営業日以内に発送します
・平日12時以降と土日祝のご注文: 翌営業日を1営業日目として、3営業日以内に発送します
(例: 金曜15時のご注文は、月曜を1営業日目として水曜までに発送します)
最後の行のような具体例を1つ添えると、読んだ人の誤解がぐっと減ります。
ただし、ポリシーページまで読む顧客は多くありません。読んでもらえたとしても、祝日を調べて営業日を数えてくれる人はまれです。ルールの明文化には、問い合わせが来たときに誰が答えても同じ日付を案内できるようにする効果はありますが、「結局いつ発送されるのか」という質問そのものを減らす効果は限定的です。
方法2: スプレッドシートのWORKDAY.INTL関数で発送日を計算する
問い合わせへの回答や出荷管理で「◯月◯日」という具体的な日付を出すには、GoogleスプレッドシートのWORKDAY.INTL関数が使えます。定休日のパターンと祝日リストを渡すと、営業日だけを数えて「◯営業日後」の日付を返してくれる関数です。
まず、計算から除外する祝日リストを用意します。
- スプレッドシートにシートを追加し、シート名を「祝日」にします。
- A1セルに次の式を入力すると、内閣府が公開している祝日CSV(1955年から翌年分まで・振替休日を含む)が読み込まれます。
=IMPORTDATA("https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/syukujitsu.csv")
A列に日付、B列に祝日名が入ります。CSVの文字コードの都合でB列の名称は文字化けすることがありますが、計算に使うA列の日付はそのまま使えます。日付が文字列として認識されてしまう場合は、「ファイル」→「設定」でロケールを「日本」にしてください。年末年始や夏季休業などお店独自の休業日はこのCSVには含まれないため、A列の続きに日付で追記します。
次に、計算用のシートで発送予定日を求めます。
- A2セルに注文日時(例: 2026/08/07 16:30)、C2セルに発送までの営業日数(リードタイム。例: 3)を入力します。
- B2セルに、締め時間を反映した「起算日」を求める次の式を入力します(締め時間が12時の場合。
TIME(12,0,0)を変えれば他の時刻にできます)。
=INT(A2)+IF(MOD(A2,1)<TIME(12,0,0),0,1)
締め時間前の注文は注文当日が、締め時間後の注文は翌日が起算日になります。続いて、D2セルに発送予定日を求める式を入力します(土日定休の場合)。
=WORKDAY.INTL(B2-1, C2, "0000011", '祝日'!$A$2:$A)
WORKDAY.INTLは開始日の「翌営業日」から数え始めるため、起算日当日を1営業日目に含めるには開始日を起算日の1日前(B2-1)にします。起算日が土日祝に当たる場合も、自動的に次の営業日から数えてくれます。3つ目の引数は定休日のパターンで、月〜日の7文字を「1=休み・0=営業」で表します。
| 定休日 | 3つ目の引数 |
|---|---|
| 土日 | "0000011" |
| 日曜のみ | "0000001" |
| 水曜のみ | "0010000" |
| 無休(祝日のみ休み) | "0000000" |
最後に、D2セルの表示形式を「表示形式」→「数字」→「日付」にします。上の例(2026年8月7日・金曜16:30の注文、3営業日、土日定休)では、起算日は8/8(土)、発送予定日は8/13(木)になります。8/10(月)が1営業日目、8/11(火)は山の日なので飛ばして、8/12(水)が2営業日目、8/13(木)が3営業日目という数え方です。祝日シートに夏季休業(8/13〜8/16)を追記すると、結果は8/17(月)に変わります。
この方法の弱点は、計算結果がお店の手元にしかないことです。顧客からは見えないため、問い合わせが来てから日付を答える運用は変わりません。祝日リストの更新や数式の管理も続きますし、商品によってリードタイムが違うお店では商品ごとの管理も必要になります。
方法3: 商品ページに営業日計算済みの日付を自動表示する
方法2の計算を、顧客が見る商品ページ側で自動化する方法です。私たちが開発している「出荷目安・入荷予定表示」は、テーマエディタでブロックを1つ追加すると、商品ページに「◯月◯日までに発送予定」という営業日計算済みの日付を自動表示するShopifyアプリです。日本の祝日・お店の定休日・締め時間に対応した営業日ベースで計算し、日付はページが閲覧された時点で計算されるため、連休の前に表示を手で更新する作業はありません。無料プランで全商品一律の出荷目安を表示でき、Growthプラン($4.99/月)では商品タグ・メタフィールド別のリードタイム、地域別のお届け目安、在庫切れ時の「入荷後◯営業日で発送」への文言切替、臨時休業カレンダーが使えます。表示ブロックは外部へのリクエストを送らないため、ページの表示速度には影響しません。計算した日付を顧客がその場で見られる点が、手元のスプレッドシートで計算する方法2との違いです。
まとめ
- どの方法を選ぶ場合も、まず方法1の「締め時間・数え方・休業日」のルール決めと明文化が土台になります。
- 問い合わせに具体的な日付で答えたいとき、出荷予定を管理したいときは、方法2のWORKDAY.INTLで計算できます。
- 質問される前に商品ページで日付を伝えたい場合は、方法3のアプリが向いています。
まずは方法1で、自店の締め時間と数え方を決めるところから始めてみてください。ルールが1つに決まっていれば、方法2の数式でも方法3のアプリでも、同じ日付を迷いなく案内できるようになります。
商品ページに営業日計算済みの日付を表示する仕組みは、出荷目安・入荷予定表示の詳細で紹介しています。